高コレステロール血症、難聴の危険因子に

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高コレステロール血症、難聴の危険因子に
2018/09/11

人間ドックの受診者を対象に8年間追跡調査を実施し、コレステロール血症は難聴の独立した危険因子であることが示された。コレステロールが高くなる原因としては、体質、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足などがあります。生活習慣を見直し、発症を予防しましょう。

 

“これまで難聴の危険因子に関する報告の多くは横断研究によるものであり、両者の因果関係は判然としなかった。そこで、立川綜合病院(新潟県)健診センターセンター長の小田栄司氏は、同センターの人間ドック受診者約3,000人を対象に縦断研究を実施。8年間追跡調査して各種健診データを解析した結果、高コレステロール血症は難聴発症の独立した危険因子であることが示されたと第59回日本人間ドック学会(8月30~31日)で報告した。

高周波難聴、低周波難聴に分けて検討

対象は、研究初年度に人間ドックを受診した際、高周波難聴を認めなかった2,628人(男性1,650人)と低周波難聴を認めなかった2,775人(男性1,754人)で、その後8年間追跡した。なお、高周波難聴は4,000Hzで40dB、低周波難聴は1,000Hzで30dB以上の音しか認識できない状態と定義した。

追跡期間中に、高周波難聴は男性303人(18.4%)、女性64人(6.5%)、低周波難聴はそれぞれ153人(8.7%)、96人(9.4%)が発症した。また、61歳以上では高周波難聴の発症率は男性が53.4%、女性が20.6%、低周波難聴の発症率はそれぞれ28.4%、26.9%であった。

喫煙、貧血なども危険因子に

解析に際しては、肥満や糖尿病、高コレステロール血症、貧血、現在の喫煙・飲酒・身体活動の状況などを難聴発症における危険因子の候補とし、回帰分析により各項目のハザード比(HR)を算出した。

その結果、高周波難聴の発症における喫煙(習慣的な喫煙)、飲酒(ほぼ毎日飲酒)のHRがそれぞれ1.402(P=0.006)、1.289(P=0.024)と有意であった。一方、低周波難聴の発症においては高コレステロール血症(総コレステロール濃度240mg/dL以上または脂質異常症治療薬使用中)のHRが1.384(P=0.019)と有意であった。

さらに、60歳以下を対象とした同様の解析では、年齢や男性であること以外に、高周波難聴の発症については高コレステロール血症、喫煙のHRが有意となった。一方、低周波難聴では高コレステロール血症、貧血(男性はヘモグロビン濃度13.0g/dL未満、女性は同12.0g/dL未満)が有意な因子であった。

以上から、小田氏は「60歳以下では高周波、低周波難聴ともに高コレステロール血症が独立した危険因子として認められた」とまとめ、「この点を踏まえ、高コレステロール血症患者には聴力検査や騒音対策などを行い、難聴の拾い上げや重症化の抑制を図るべきである」と述べた。”

(引用:https://medical-tribune.co.jp/news/2018/0911515771/)

 

コレステロールは血中の脂質です。もともと細胞膜やホルモンを生成するために欠かせないものですが、増えすぎてしまうと体に様々なトラブルが生じてしまいます。コレステロールが高くなる原因としては、体質、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足などがあります。
悪玉コレステロール値が高くなると動脈硬化の原因にもなります。
コレステロール値を下げるために、植物性の食品や海産物を多くした食生活に見直す、毎日30分程度の歩行など運動の習慣をつける、禁煙をする、薬を飲む等が挙げられます。
今回の研究では、コレステロール値のほかにも難聴の危険因子となりうるものには様々な生活習慣病が挙げられています。生活習慣を見直すことで難聴に限らず、様々な病気を予防することにつながります。これを機に自身の生活習慣を見直してみましょう。

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