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膵臓がん治療に新手法 手術前の抗がん剤に効果
2019/06/02

発見がしにくいことで知られる膵臓がん。その膵臓がんに対する新しい治療法の研究が進められています。

 

膵臓がんは国内で年間約4万人が発症します。部位別の死亡数では、肺、大腸、胃に次いで4番目に多く、家族に膵臓がんの人がいることや糖尿病、慢性膵炎、肥満、喫煙などが発症を高める要因とされます。

 

膵臓は体の奥にあり、がんの初期には症状が出にくく、早期発見が難しく、病期(ステージ)は、がんの大きさや広がり、転移があるかどうかなどで決まります。

 

手術で切除できる「切除可能」は、がんが小さく、膵臓内にとどまる0期、1期が中心。2期の一部も含め、全体の2割程度。2、3期の一部が当てはまる「切除可能境界(ボーダーライン)」は、目で見える範囲のがんは切除できても、取り残す可能性があります。一方、離れた臓器にがんが転移する4期などは、手術できない「切除不能」となります。

 

膵臓がんの5年生存率は手術可能な1期だと43.2%。ただ、手術後に転移・再発するケースも多く、全体だと10.0%になります。

宮城県気仙沼市の介護福祉士、千葉千恵子さん(54)は2014年、みぞおちや背中に痛みを感じました。東北大病院(仙台市)で検査を受け、膵臓がんが見つかり、医師の勧めで臨床試験に参加し、切除手術を行う前に、抗がん剤の塩酸ゲムシタビンと S―1(エスワン) を使った治療(術前化学療法)を受けることにしました。

 

千葉さんは6週間に及ぶ抗がん剤治療の後、膵臓の右半分を手術で切除。その後の半年間、S―1を使った治療を受けました。これまで再発はなく、勤務先の老人ホームでは夕方から翌朝までの夜勤もこなしています。

 

しかし、術前化学療法は専門学会が推奨する標準治療になっていません。同病院などの研究グループは13年から、有効性を確認する臨床試験を行っていました。

 

試験には全国57医療機関の患者364人が参加。手術後にS―1を投与する標準治療のグループと、千葉さんのように術前化学療法を加えたグループに分け、治療成績を比べました。その結果、患者の生存期間(中央値)は、術前化学療法グループの36.72か月に対し、標準治療グループは26.65か月。2年生存率も前者が63.7%、後者は52.5%と差がつきました。

 

結果をとりまとめた東北大病院総合外科長の 海野倫明(うんの みちあき) さんによると、手術前は後に比べ、患者の体力があるため、十分な量の抗がん剤を投与できます。周囲のリンパ節への転移や肝臓への再発が減るほか、がんが小さくなって手術がしやすくなる効果もあるといいます。

 

一方、すぐに手術しないことでがんが進行し、切除できなくなるとの懸念もあったが、今回の試験では、標準治療のグループとの違いはありませんでした。関連学会でも標準治療に位置付けるための議論が始まっています。海野さんは「術前化学療法で使う抗がん剤の種類や投与期間、放射線治療との組み合わせなど、さらに効果的な方法を研究していきたい」と話しています。

 

(引用URL:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190520-OYTET50015/?from=dyartcl_outbrain1

 

難しいとされていた部位のがんも少しずつ研究が進み始めています。これからの開発にますます期待していきたいものですね。

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