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かつて国民病と言われていた結核ですが、2017年の国内新規患者数は1万6789人にものぼります。そのうち約2300人が亡くなっており、結核はいまも日本の重大な感染症の1つです。その罹患率(りかんりつ)は米国の約5倍、英仏の2倍弱とも言われ、深刻な問題です。
昨年の新規肺結核患者のなかで症状がある人のうち、症状が出てから受診まで2カ月以上かかった人は20.8%と言われています。約2割の方が、結核にかかってからしばらく病院にいかず、他の方へ感染を広めていた可能性があります。
特に目立つのが高齢者の発病です。2017年の新規患者を世代別でみると80代が3割弱で最多で、90代は増加傾向にあります。結核患者が多かった時代に感染し、長い潜伏期間を経て抵抗力が落ちて発病するとみられていいます。
結核は結核菌による感染症で、菌を体外に出している人が咳やくしゃみをすると空気中に菌が飛び散り、それを吸い込むことで感染します。
その後、菌が増殖して体の組織をおかしていきます。感染してもほとんどの人は免疫によって菌が封じ込められて一生発病しませんが、1割程度は免疫が落ちたときに発病します。感染しただけや、発病しても菌を体外に排出していない場合は周囲の人にうつすことはありません。
治療は、複数の種類の薬を併用し、半年にわたって毎日のみ、菌を完全になくすのが基本です。薬をのむのが不規則になったり中断したりすると薬剤耐性菌を広げる原因となり効果がありません。防ぐためには、医師や看護師などの医療スタッフが手渡しした薬を、目の前で飲んでもらい確認する方法が大切と言われています。
結核の初期症状は咳、たん、発熱など風邪と似ています。症状が2週間以上続く場合は、何らかの病気があると思って医療機関を受診し、自覚症状を医師に伝えることが予防の一歩と言えるでしょう。
(参考URL:
https://digital.asahi.com/articles/ASLDL532SLDLUBQU00F.html?rm=271)
初期症状が風邪に似ているため、簡単にはその違いはわからないものです。治せる病とは言っても結核はまだまだ死亡率が高い感染症ですので、体調不良を感じたら早めに受診をするようにしましょう。