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手足の震えやこわばり、歩行障害などの症状が表れるパーキンソン病。薬物治療が基本だが、時間の経過とともに効き目が悪くなる。この進行期パーキンソン病に対して医療機器を用いたデバイス治療が注目されている。
▽2種類の治療法
パーキンソン病はドーパミンと呼ばれる脳の神経伝達物質が欠乏することで発症する。治療を始めて間もない頃はドーパミンの不足を補う薬剤(ドーパミン補充薬)で症状を抑えることができるが、5~10年経過する頃から薬の効果が長続きしなくなり、合併症も表れやすくなる。
順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)脳神経内科の大山彦光准教授は「薬の効果が続かなくなる『ウェアリングオフ』が出現し、体の動きが一層悪くなるため、1日に頻回に薬を飲むことが必要になります。また、薬が効き過ぎて意図せずに手足が動く『ジスキネジア』という不随意運動が表れ、症状の変動を1日に何度も繰り返します」と説明する。
薬物治療で症状のコントロールが難しくなった場合に用いられるのが、デバイス治療だ。現在、脳深部刺激療法(DBS)とレボドパ・カルビドパ経腸療法という2種類が選択できる。
▽デバイス治療外来を開設
大山准教授によると、DBSは脳の深部に細い電極を挿入・留置し、胸部の皮下に埋め込んだ刺激・電源装置からコードを通じて脳に電気刺激を持続的に与える治療法だ。頭部と胸部に外科手術をすることになるが、「ウェアリングオフの症状を軽くし、ドーパミン補充薬の量を減らす、ジスキネジアを抑えるなどの効果が期待できます」と話す。
レボドパ・カルビドパ経腸療法は、患者に胃ろうを作り、携帯可能な小型ポンプからチューブで小腸にレボドパ、カルビドパという二つのドーパミン製剤の配合液剤を持続的に注入する治療法。体内の薬の濃度を一定に保つことで、ウェアリングオフの時間を短くし、ジスキネジアを抑制する。
順天堂医院はデバイス治療を年間70例の新規患者に行うなど、国内トップクラスの実績を誇る。豊富な経験を基に、2019年9月には国内初のデバイス治療に特化した外来をスタートさせた。「患者に対してデバイス治療前の適応の有無の評価から、治療前後のリハビリテーション、カウンセリング、経過観察まで多職種が連携してサポートしています。新たなデバイス治療の研究にも積極的に取り組んでいきます」と大山准教授。こうした専門外来が全国的に広がることが望まれる。
https://medical.jiji.com/topics/1606
これまで、在宅でパーキンソン病で苦しむ方々をたくさん見てきました。ご本人も動かなくなってくる不安や焦り、ご家族の方にも介護負担が多大であります。
少しでもこういった治療等でご本人やご家族への負担が少なくなるため普及することを望みます。