うつ病の新治療―磁気刺激療法  薬の効かない患者に有効

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うつ病の新治療―磁気刺激療法  薬の効かない患者に有効
2020/04/12

日本では、うつ病の患者数が100万人を超える。治療は、認知行動療法などの精神療法と薬物療法が主だが、薬の効かない患者が3割に上るという。そうした患者に有効な新しい治療として期待されるのが、脳に磁気刺激を与える「反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)」だ。すでに欧米ではうつ病の一般的な治療として普及しており、日本でも2019年に保険適用が始まっている。

うつ病の新治療として期待されている反復経頭蓋磁気刺激(鬼頭伸輔医師提供)

▽磁気で脳を刺激

うつ病になると、思考力や判断力が低下する、意欲が持てない、悲観的な考えにとらわれるといった症状が表れる。実はこのとき、脳の活動にはバランスの乱れが生じているという。東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)精神神経科の鬼頭伸輔診療医長は「思考や判断、意欲に関わる脳の背外側前頭前野という部分の活動が低下し、感情をつかさどる脳活動が過剰になっています。つまり、感情の動きが大きくなる一方、それを理性的にコントロールする働きが弱まるため、悲観的な考えや憂鬱(ゆううつ)な気持ちが強くなってしまうのです」と説明する。

rTMSで特定の周波数と頻度の磁気刺激を脳に与えると、その部位の脳活動を促進したり、反対に抑制したりできることが分かっている。それによって、脳に生じたバランスの乱れを正し、うつ症状を改善させる。

抗うつ薬の効果が出にくいうつ病患者を対象に、薬と併用で4~6週間のrTMSを実施した臨床試験では、35.7%の患者がうつ病の症状がほぼ消える「寛解」に至った。海外の試験成績も同様で、およそ3~4割が寛解している。「うつ病で薬の効果が得られない場合、薬の種類を変えますが、最初の薬剤で寛解に至る確率が約37%であるのに対し、2剤目の寛解率は約19%、3剤目以降は1桁に低下します。また、抗うつ薬の副作用を心配する人は多いため、rTMSは新たな治療として期待されているのです」と鬼頭診療医長。

▽意欲や関心の回復

1回の治療にかかる時間は40分程度。刺激部位に軽い痛みや不快感を覚えることもあるが、ほとんどの人がすぐに慣れるという。週5回の通院、4~6週間の継続が標準的な治療となる。「早い人だと1~2週目から効果が表れます。例えば、通院の帰り道、ふと本屋に寄ってみる気になったなど、意欲や関心の回復が認められます。10年来、何度もうつ病を再発していたにもかかわらず、劇的に改善した例もあります」

なお、rTMSは19年6月に保険適用になったが、保険診療で治療できる医療機関は、現状では一部の大学病院などに限られている。鬼頭診療医長は「実施可能な施設が拡大されることが望まれます」と語っている。

https://medical.jiji.com/topics/1590

厚生労働省が行なった調査では、15人に1人がうつ病にかかる可能性があると報告しています。

外出自粛によって更に患者数は増える可能性があります。このような治療法が進歩していくことが望まれますが、その他にも「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌を増やすため、食事や運動、睡眠、日光を浴びるなど自分でできることもあります。

食事では、必須アミノ酸のトリプトファンがセロトニンの分泌に大きく関わっています。魚やお肉、大豆製品などのタンパク質に多く含まれています。そして、体内のセロトニンの90%は胃や腸などの消化管にあります。脳と腸は神経でつながっていますから、食事を変えることで幸福感の感じ方に大きく影響を及ぼすことがあります。

当社では、血液データからの解析、栄養相談等も行なっております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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