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「何でも診る」総合診療医 持病多い高齢者にも対応
2019/05/25

昨年度から、初期研修を終えた医師が専門性を身につけるための専門医制度が新しくなりました。内科や外科の専門医などと並んで「総合診療専門医」が加わります。いわゆる「総合診療医」とはどんな医師で、どんな場面で患者が利用するのでしょうか?

 

津市中心部から車で約30分。三重県立一志(いちし)病院は津市南西部の医療を支えています。常勤医7人全員が総合診療医で、小児も含めて年齢や病気の種類を問わず、「何でも診る」と掲げています。

 

「最近鼻をかむと血が出てくるようになってね」。2月中旬の朝、本来は月に1度の心臓の状態を調べるために外来にきた女性(83)は、心臓以外の気になる症状を訴え始めました。男性医師は「お薬もあるけど、この時期はうがいやマスクで鼻やのどを保湿するのがいいですよ」と答えました。

 

一志病院では、繰り返し通院する患者の中には、高血圧や糖尿病、腰痛など様々な症状を、同時に訴える人も少なくないのが現状です。臓器や疾患別に細分化された専門医より、総合診療医のほうが実情に合っています。

 

一志病院は訪問診療にも力を入れています。この日の午後、四方哲(しかたさとる)院長(50)は自ら車を走らせて患者の家に向かいました。最初は慢性心不全の90代の女性宅。四方さんは「今の体調や体重はどうですか」と尋ねました。女性は「気だるい感じがあり、食欲は落ちてます」。ベッドで過ごす時間が長く、足がむくんでいました。水分がうまく排出されず、適正体重から増えていたようです。家族と相談して薬の処方を変えました。

 

ほかにも認知症同士の夫婦宅など、この日は3時間かけて4軒を回っています。病院に通えない高齢者も多く、訪問も重要といいます。さらに、看取りにも駆けつけます。四方さんは「へき地の医療機関として、急性心筋梗塞(こうそく)などの手術でない限り、救急も24時間体制で受け入れている」と話しています。

 

一志病院の近くにすむ男性(94)は「元々は人工肛門(こうもん)や心筋梗塞で通い始めたが、どんな病気でも診てくれる。家族関係といったプライベートの悩みも心配してくれるのがうれしい」と語っています。

 

総合診療医が新しい専門医に加わった背景には、進む高齢化があります。

年齢を重ねると骨や目、消化器系、認知機能など、同時に複数の病気になることが多くなります。ところが、医師の専門性はどんどん細かくなり、一人の患者が病気や臓器ごとに複数の医療機関にかかることが一般的です。

 

東京都の台東区立台東病院管理者の山田隆司医師(64)は「高齢者の大半の健康問題に対応するためには、疾患ごとの高度な医療よりも、バランスの良い医療のほうが必要」と話しています。患者ごとに総合的な医療を提供する医師が求められるようになってきたようです。

 

・総合診療医は大きく二つに分けられる。

一つは、一志病院のような小規模な病院や、まちの診療所などにいる「家庭医」としての役割で、地域の一次医療を担う。どんな病気も診て、訪問診療もする。禁煙外来や健康に関する相談も受け付ける。

山田さんによると、何年も同じ地域で診療して家族と信頼を築き、病気の8割程度はこの段階で完結するのが理想で、必要があれば適切に次の医療機関につなげる。

 

もう一つは病院内の総合診療科や総合内科などにいる「病院総合医」です。例えば、骨折で入院しても糖尿病や心不全、認知症にもなっている患者もいます。体全体をケアできる病院内主治医のような役割を果たし、別の専門医につなげる役割も担います。

愛知県小牧市病院事業管理者の末永裕之医師(72)は「何でも診ることに加え、医療安全や感染制御、栄養管理などの幅広い知識をもつ医師を育てたい。いろんなことを知っていて、患者が安心して頼れる存在が、総合医だと思う」。

 

新しい専門医制度による「総合診療専門医」は、少なくとも3年間のプログラムを経て、2021年4月から、こうしたまちの診療所や病院内の総合診療科などで活躍することが期待されていています。

 

引用URL:https://digital.asahi.com/articles/DA3S14024200.html?rm=150

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