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入院中は、普段行っていた日常生活や趣味ができなくなってしまうため、退屈になってしまいます。このようなとき、どのように空いた時間を有意義に過ごせばよいのでしょうか。臨床心理士の先生にお話を伺いました。
Q、入院している祖父が、暇をもてあましています…。
A、病院ではいつもより生活が制約されるので時間を長く感じるのかもしれませんね。同じ時間でも、長かったり短かったり、感じ方が違うことを心理学では「心理的時間」といいます。
Q、楽しい時間はあっという間に過ぎますもんね。
A、注意が時間に向けられているほど心理的時間は長くなります。別のことに気を取られていると、早く過ぎる。楽しいこと、関心のあることをしていると時間に注意が向かなくなり、あっという間に感じるんですよ。
Q、そういえば、祖父が元気で忙しくしていた頃は、「暇がほしい」と言っていましたね。
A、入院生活は、することがなくてむなしいとか、目的や意義がないとか感じて、暇な時間が苦痛になってしまうんでしょう。検査や治療などはあっても、生活が自分の自由にならない。自分を抑えて過ごすことが苦痛なんでしょうね。
Q、入院中の暇つぶし。どうしたらいいのでしょうか?
A、コツがあるとすれば、時間を忘れるほど熱中できることや、頑張れることを探すことでしょうか。おじい様にもにもあるはずですよ。ところで、同じ入院患者でも、子どもは大人ほど暇つぶしに困らないようなんです。
Q、なぜでしょうか?
A、子どもはふだんから家庭や学校という限られた範囲で活動していますが、大人は仕事や趣味など多くの関係性の中で生きている。その分、余計に不自由を感じてしまうんです。認知機能が未発達な子どもには、「今、目の前にあること」が全て。手近な所に楽しみを見つけやすいという面もあります。
頭の柔らかさや状況への適応力に関係がありそうです。大人は知識や経験から先入観で判断したり悩んだりもしますからね。ただ、睡眠障害やうつ、薬の副作用など病気にかかわる不調で暇そうに見える可能性もあるので、注意してあげてください。
Q、暇つぶしは、子どものほうが上手なんですね…!参考になりました。
上手に空き時間を過ごすコツは、今この瞬間を楽しむことのようです。入院生活や普段の生活で暇に感じたときは、ぜひ夢中になれそうなものを探してみましょう。