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ちょっとした風邪であれば、わざわざ病院に行かなくてもいいかな…と思う方もいらっしゃるはず。そこで手軽に購入できるのが市販薬です。簡単に買えるため、実はその危険性に気づかない方も多いようです。
今回は、市販薬に潜む危険性や安全な付き合い方をご紹介します。
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とある60代の男性の話です。
ある朝、のどに痛みを感じました。その後、徐々に全身のだるさや節々の痛みが出てきて、昼前に体温を測ると38度の熱がありました。
鼻水や咳はまったくありませんでしたが、風邪だと思い、早めに薬を飲んだほうがよいだろうと、自宅にあった市販のかぜ薬を昼から飲み始めたそうです。夕方にも同じ薬を飲みました。
すると、その後、なぜか尿が出なくなり、おなかの下のほうに痛みが出てきました。時間がたつほどひどくなってきたため、夜間救急外来を受診しました。
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市販のかぜ薬には大抵、発熱やのどの痛みに効く成分のほかに、鼻水や咳に効く成分も配合されています。この男性の症状からすると、このかぜ薬には余計な成分(このケースでは鼻水や咳に効く成分)が含まれていたようです。
かぜ薬に含まれる抗ヒスタミン薬や抗コリン薬は鼻水を抑えますが、副作用で自律神経に作用して、尿が膀胱(ぼうこう)にたまっても排出できない「尿閉(にょうへい)」を起こすことがあるのです。前立腺肥大症のある方などに起こりやすく、膀胱がパンパンになり、痛みが生じます。
つまり、鼻水や咳の症状はなかったのに抗ヒスタミン薬や抗コリン薬の入ったかぜ薬を飲んでしまい、余計な副作用被害にあってしまった、というのが今回のケースです。
市販のかぜ薬で使われる抗ヒスタミン薬、抗コリン薬には、病院や診療所で処方される医療用医薬品には使われていない成分もあります。市販薬を購入する際は、下記2点を意識しておきましょう。
<安全な市販薬の選び方>
・かかりつけ医、看護師がいれば、先に相談をしておく
・ドラグストア、薬局の薬剤師に相談をする
忙しいなどの理由からどうしても病院へ行けないなどの場合、かかりつけ医や看護師などに電話で相談をしておきましょう。持病のある方は、薬の飲み合わせによって副作用が生じてしまう可能性が高いため、事前に確認をしておきましょう。
持病がない方でも、ご自身にこの薬が合っているのか不安な方は薬剤師に相談をしましょう。ドラッグストアにも薬剤師がおりますので、相談をしてみることをおすすめします。
<注意すべきこと>
医師や看護師、薬剤師に相談をして市販薬を購入したとしても、薬の服用後に体調が突然悪化することもあります。もし異変を感じたら、必ず医師や看護師に連絡をするようにしましょう。
手軽に服用できる市販薬ですが、ご自身だけの判断では危険な場合もあります。身近にいる医師や看護師、薬剤師などの医療従事者に相談しながら、ご自身に合った市販薬選びを心がけましょう。
(参考・引用URL:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190102-OYTEW322283/?catname=column_shihanyaku-hira)